コラム8 of 花坂作文教室

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コラム8


宛先: 中級者の方へ
題名: 字数が少ない場合の対策(3)

こんにちは。花坂です。
今回も字数の少ない作文についてです。
中でも「志望動機や自己紹介の書き方」を取り上げます。
中級者を対象に書きますので、初級者の方には難しい内容かもしれません。


前回のコラム7で、要約文では、
「もとの文章の構造がわかる印象を与えるように」
と書きました。
志望動機や自己紹介の作文でも考え方は同じです。
字数以上の内容が、そこにあるかのように書くのです。
字数内にきれいにおさまるよう、字数いっぱいに書き尽くしてはいけません。

やる気のない人は「志望動機が短い欄で助かったぁ」と言いますし、
やる気のある人は「短い欄だから、書ききれない」と困っています。
どちらも目のつけどころが違うのではないか、と私は思います。

そもそも、「短いこと」はプラスでもマイナスでもありません。
短いなりの勝負どころがあります。
では短いなりの勝負どころとは何か?


その一つを、私は「余韻が与える効果」だと考えています。


ここで一つ、あまりにも有名な、あの俳句を引用しましょう。

 古池や 蛙飛び込む 水の音

この句には、あざやかな切り口で見せる魅力があります。
そして字数以上のことを語っています。
いや、見えない言葉を読者に具体的に連想させると言った方がいい。
コケむした庭、広がる波紋、静かな時間・・・など。



以下、自己紹介文で2つの例を挙げてみます。
あなたはどちらが魅力的だと感じますか?


(Aさん)
 私は人と話すのが大好きな人間です。
 将来、世界中の人と話をしてみたいと本気で思っています。(44字)

(Bさん)
 私は人と話すのが大好きな人間です。
 バス停での待ち時間、おばあさんとよくお友達になります。(44字)


2つの作文を読んだとき、
「あ、この人に会ってみたいな」と思うのは、どちらでしょう?
もちろん、人にはそれぞれ好みがありますから、正解はありません。

私なら、後者です。
具体的であるがゆえに、それ以上のことが逆に知りたくなります。
「この人は、どんなふうに会話を始めるのだろう?」
「バス停で知り合った後も、付き合いは続いたりするのかな?」
「この人はきっと優しい性格なんだろうなぁ」
などなど。

Aさんは、短い字数の中に言いたいことを言い切ってます。
なるほど、大きな夢があって、頼もしい。
でも夢は夢。
Bさんの持つ「リアルの強さ」には勝てません。
たしかにAさんの作文はきれいにまとまってます。
が、奥ゆきといったものがありません。
一方Bさんの作文には、想像力を刺激する「余韻」があるのです。


この種の作文には他にも注意点があります。
・本当に言いたいことだけを言う! 重要なポイントをはずさない!
・分かりやすく。短くしようとして熟語ばかり使わない。
・人の言葉ではなく、なるべくオリジナルな言葉を使う。


3つ目の「オリジナルな言葉」とは、自分が経験から得た言葉です。
思ったこと、感じたこと、それを自分の言葉にまとめることです。
オリジナルな言葉には強さがあります。
どんなに表現がつたなくても、借り物の言葉より相手に伝わるものです。


さて、
次回からは長い字数の場合の対策を取り上げます。



(1.259字)

花坂信勝
2008.7.4  作成